大笹温泉は、地表に流れ出した溶岩を熱源としていたため、冷えるにしたがい湯温が低下して入浴には適さなくなり、文化三年(一八〇六)に廃湯となった。わずか二十年の間だけ忽然とあらわれた、幻の温泉場である。岳温泉大笹温泉の源泉は、もともとは湧水だが、自然湧出する高温の湯を、泉源地から数キロメートル引湯して造られた温泉場もあった。新潟県妙高市の赤倉温泉、長野県高山村の山田温泉、福島県二本松市の岳温泉などがそ
大笹温泉の紹介... の続きを読む
具体的にいえば、客室数一〇室前後、収容人員三〇人前後が最も一般的な規模である。ところでペンションの普及に力があったのは、日本長期信用銀行、新日本製鉄などの出資で昭和四十八年に設立されたPSD(ペンション・システム・デペロップメント)である。同社はペンション村としての立地用地の確保、規格建築の開発、オーナー希望者の募集、選考、教育さらには融資斡旋等々に一種のフランチャイズ制とでもいうべきシステム経営
PSDの支援によってペンションは次々に開業... の続きを読む
汽車の旅に情緒がなくなったという。田舎の風を心ゆくまで吸って走る。ドン行客車の代わりに、窓の開かない冷暖房完備の特急がローカル線にも走るようになった。白熱灯がにぶく輝くニス塗りの黒ずんだ車内は、明るく冷たい感じの清潔な合成樹脂板に変わった。まばゆいばかりの蛍光灯に照らし出された壁は、腕がふれるとひんやりと冷たい。駅弁も短い停車では買えないことが多い。その駅弁もやたらに数がふえ、ローカルの昧が売りも
現代は「特急時代」... の続きを読む
重要なのは、自家源泉(宿の敷地内にある温泉)を持っているかどうか。草津温泉の旅館のように、多くが湯畑から引き湯をしているところもありますが、自家源泉が最も新鮮な湯に浸かれる可能性が高いからです。これもぜひ、聞きましょう。そして、何本の自家源泉を持っているかも問い合わせたいところです。源泉の数が多ければそれだけ湯場が確保でき、また風呂の数も多いはずです。硫化水素泉、重曹泉などと泉質が異なる場合もある
好みや症状に合わせて入浴することができる... の続きを読む
湯治は観光旅行のように豪華な料理が目的ではありません。湯に浸かり、あとはのんびり静養するだけの湯治で、たらふく食べてしまうと消化にもよくありませんし、体重が増えてかえって健康にマイナスということにもなりかねません。湯治の栄養は温泉です。これは決して言葉のあやではなく、温泉に含まれる自然の成分が、皮膚を通して、また湯気を吸うことでたっぷり身体に取り込まれるのです。ですから食事は最低限のもので十分。湯
事前に宿に聞いておくこと... の続きを読む
箱根は江戸時代から湯治場として人気でした。当時の箱根の売りは滝湯でした。いまでいう打たせ湯のことです。各宿は競うように滝湯をしつらえました。蒸し湯と滝湯こそ、わが国の伝統的な入浴法だったのです。打たせ湯二、三メートルの高所から落下する湯を体に当てる打たせ湯は、江戸時代には滝湯、戦前は湯あんまなどと呼ばれていました。たいていの方は打たせ湯を経験しているでしょうが、必ず新鮮な源泉かけ流しだけを使ってい
わが国伝統の滝湯... の続きを読む
トロッコ列車は全国で何か所も走っている。まずは、北関東の第三セクターわたらせ渓谷鐵道を定期的に走っている「トロッコわたらせ渓谷号」を紹介しよう。この列車は、JR東日本から譲り受けたディーゼル機関車が四両の客車を牽引する。両端の客車は、元JRの12系客車で冷暖房完備、自動ドアの普通の車両だが、真ん中の二両がオープンエアのいわゆる「トロッコ車両」だ。トロッコ車両は、天井裏の鉄骨やら配線などがむき出しで
わたらせ渓谷鐵道を定期的に走っているトロッコ車両... の続きを読む
海外旅行がブームになり始めた頃(1970−80年代)、機内食はエコノミークラスでもご馳走というイメージがありました。しかし今や機内食にあまり期待をかけることはできません。質もさることながら、量的にも昔の半分程度しかないように思えます。先日仕事でシンガポールに行きました。成田を夕方4時頃出て、7時間飛んでシンガポール到着は真夜中の午前0時頃です。成田を出て直ぐ夕食が出ましたが、食事はその1度きりです
軽食を持ってなるべく早く機内へ... の続きを読む
ヨーロッパの温泉地では、入浴以上に飲泉を重視してきた。「入る前にまず飲む」が鉄則となっている。それを象徴するのが、各温泉地の中心にでんと構える、立派な専用の飲泉所である。日本の簡素なものとは比べものにならないほど大きく、専属係員付き。なかでもドイツやイタリアあたりでは、宮殿とみまがう豪華な飲泉施設を見かける。じつはヨーロッパでも近世以前は入浴が主体だった。飲泉重視に変わったのは、近世に入ってヨーロ
入るだけでなく、飲む... の続きを読む
ホテルの生みの親は、1960年生まれ、ハーバード大でMBAを取得したという、スターウッドホテル&リゾートワールドワイドのCEOで、自らのテイストとニーズに合せて、新感覚のアーバンホテルブランドを創り出した。Wホテルのサービスの特徴は「どんなことでも、いつでもご用件を承ります」が合言葉だ。これにより、客室のボタン1つで、オペラのチケットの予約から、ルームサービス、クリーニングなどが可能となる。顧客と
ホテルの合言葉... の続きを読む
近鉄名古屋駅の地下ホームに、宇治山田行きビスタカーが入ってきた。一九五八年に初登場以来三代目のビスタカーで、ビスタ?世という愛称で親しまれてきたが、二〇世紀末に改造されて、ビスタEXという名前に変わっている。とはいえ、三代目誕生からでも三〇年経ち、そろそろ世代交代なのではとも思うか、最近の近鉄特急は、「アーバンライナー」など二階建てではない普通の車両ばかりだ。もう二階建て車両は流行らないのだろうか
ビスタ?世が改造されてビスタEXとして快走... の続きを読む
雑誌や新聞の取材でよく、「いい温泉の条件って何ですか?」と聞かれます。私は決まって、「眠くなる温泉です」と答えます。鹿児島の温泉宿に行くと、浴槽の傍らに横になれる台までついた、至れり尽くせりの設備をよく見かけます。いい温泉に入ると、心も体も力が抜け、開放的になります。そして、いつしか無防備となり眠くなるものです。そんなとき私は、横に寝転がりながら湯桶でもって浴槽から湯をすくい、体にかけて温まります
九州の共同浴場と東北の湯治場に見る温泉の原点... の続きを読む
航空専門家がよく聞かれる質問に、「どこの座席にすわっていれば一番安全か」というのがある。過去の重大事故で生き残った人々の座席の統計をとった専門家もいるが、結論は見当たらない。離陸時とか、着陸時とか事故の状況を限定すれば、生き残る可能性の高い座席をおおまかに示すことはできるが、事故はどういう状況で起こるか予測がつかない。それでは、乗客にできる安全対策には何があるのだろうか。ひとつは、非常口を確認し、
乗客のできる安全対策は?... の続きを読む
二〇〇三年の雑誌のホテルランキングで小さな異変が起きた。毎年実施されている『日経ビジネス』の第一九回調査で、東京部門ではホテルインターコンチネンタル東京ベイ(三三九室・以下、インターコン東京と略す)が第一位に選ばれたのである。同誌では「伏兵が首位奪取」と報じていた。ちなみに第二位は帝国ホテル、第三位はパークハイアット東京、大阪部門の第一位はザ・リッツカールトン大阪である。同誌のこの調査の回答者は企
小さな異変... の続きを読む
社長は六三年、東京ヒルトンホテルの開業時に入社、ベルボーイを振り出しに四〇年間ホテル業界を見続け、現在は九軒のグループホテル(約三七四億円の年商規模)を統括、「業界にこの人ありき」と言われた人物である。その社長がかなりの危機感を抱き、新しい可能性に賭けようとしているのである。実は、ロイヤルパーク汐留タワーとして営業している場所は、もとは第一ホテルの進出が予定されていた。地上三八階建ての、オフィスと
設計変更してまで参入... の続きを読む
旅先での病気として、風邪とともにもっとも一般的なのが下痢です。下痢には、原因の違ういくつかのタイプがあります。まず、感染性の下痢です。おもに東南アジア、インド、中南米、アフリカなどへ旅行した人から報告されています。水や食べ物を介してからだの中に入り、下痢を引き起こす病原性大腸菌をはじめとして、さまざまな細菌が下痢の原因となります。公衆衛生の行き届いた日本で暮らす私たち日本人のからだには、これらの細
氷が下痢の原因になりやすい... の続きを読む
仕事で忙しい毎日を過ごしていた人が、旅行に出かけ、美しい景色を見たり、海で遊んだりすると、心が晴れ晴れして、爽快感や充実感を味わいます。この場合は、「精神の健康」を取り戻したということになります。旅行の効用に「リフレッシュ」ということがよくいわれますが、これがまさしく「精神の健康」です。仕事や人間関係のストレスでくたびれ果てていた精神が、旅行という“脱日常”の体験を通して新鮮さを取り戻すわけです。
「精神」と「魂」の健康を得る... の続きを読む
傷ついた一羽の白鷺が発見した。天下の三名泉「下呂」峻険な飛騨山地を縫う益田川の河畔に今も濃い湯煙を上げる。『飛州志』によると、下呂温泉は当初、湯ケ峰(標高一〇六七メートル)の山中に湧いていた。「国説にいわく、天暦中(九四七〜九五七年)この地の山中に、はじめて温泉湧出せり。地名を湯が峰という。しかるに文永二(一三八五)年一〇月、湯が峰の温泉出止みて、山下今の地に湧出せり。これすなわち益田川の河原にし
外湯が守られているのはうれしい... の続きを読む
ケーキもお茶もとてもおいしく、時が過ぎるのも忘れておしゃべりに夢中になっていると、何だか少女の時代に戻ったかのようだ。ティータイムが終ると、腹ごなしを兼ねて夕暮れの庭園を散歩することにした。「このホテルは、昔、宮様の邸宅だった場所に建っているんですって。だから日本庭園が見事でしょう。このお池もあの灯篭も、その昔、やんごとなき方たちが外国からのお客様を案内して、眺めていらしてたって想像すると、なんだ
足取りも優雅に庭園を散歩... の続きを読む
ここ数年毎年売り上げを更新している黒川温泉には、苦境に立たされている全国の温泉地からの視察が訪れている。今年も加賀のある有名温泉地から、女将さんたちのグループが視察に訪れた。いずれも名旅館といわれる一流旅館の女将である。彼女たちの反応は極めて冷ややかなものだったようだ。なによ、文化もなにもないただの田舎の旅館じゃないの、というわけである。それでお引き取り願うのならば、黒川からすればしめたものである
作り上げられた田舎の風景... の続きを読む
現在の日本の状況を称して、「失われた十年」、あるいは「十二年」などといわれます。バブル崩壊後の重苦しい十数年を指した言葉ですが、最近、その閉塞感はますます蔓延しているようです。かつてバブル期には、「ストレスがたまってどうしようもない」と人々は盛んに口にしました。いまではその「ストレス」という言葉さえ甘っちょろく聞こえます。ストレスは、実は上向きの時代の言葉なのです。右肩上がりに経済成長していた時代
閉塞の時代だからこそ、ますます温泉の旅に出る... の続きを読む
温泉が気分だけのものだと思われてきたのは戦後の日本で、その医学的な効用があまり研究されてこなかったせいでもあります。温泉はそれぞれに含まれている成分が多種多様であり、共通の法則性が見出しにくいため、科学の研究対象にはあまり向いていません。そのうえ、戦後の日本は科学技術信仰が強く、健康に関しては西洋医学一辺倒の姿勢でやってきました。そのため温泉が健康に与える効果がほとんど顧みられなかったのです。西洋
どこの国よりも西洋医学だけにしがみついている日本... の続きを読む
科学がかかわるのは、レジオネラ菌退治や循環装置のような「管理」の面がほとんどで、温泉の本質を科学的に追究しようとする人はあまりいないのです。やってやれないことはないはずですが、これほど多種多様な温泉を本質的に研究しても、手間がかかるばかりでお金にならないのでしょう。割に合わない仕事というわけです。そのため医学の分野でも、温泉の効用について深く研究しようとする人は多くありません。それこそ玉川温泉など
温泉を科学で扱うことの限界... の続きを読む
子供も大きくなってきたということで今までは近場しかいったことがありませんでしたが少し遠出をしようということになりました。初めての家族旅行ということになりそうです。親にとっても未知の世界ですし、子供にとってもそれは同じです。初めてのときにおきたことが後々残ることもありますからいやな経験にならないようにいたいものです。車での旅行ではどうしても長時間乗車することになります。最初は騒いでいた子供も時期に疲
車で初めて家族旅行するときの注意... の続きを読む